2013年12月16日月曜日

ドーソンヴィル伯爵夫人の肖像

ドーソンヴィルという日本人には発音しにくい名リストストストはフランスの伯爵の名前です。
新古典主義最後の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル(Jean-Auguste Dominique Ingres)の1845年の作品です。
Comtesse d'Haussonville, 1845.
Jean-Auguste Dominique Ingres

1845年というと、日本は弘化2年江戸時代幕末の手前で鎖国中です。となりは清帝国でヨーロッパ列強と戦っていた頃です。
音楽家でいうとメンデルスゾーン、シューマンが活躍していた頃で、ワーグナーが出始めといったあたりです。
ヨーローッパ美術の世界ではもう少しで印象派が出てくるという頃です。

アングルは国費でイタリアに留学している時期があります。それほど才能もあり、国に認められている画家であったということです。
美術の派としては新古典主義に分類されています。この後に出てくる印象派の影響が強すぎて、あまり目立たない感はありますが、このアングルの絵は日本の教科書にも載るほどの名画がたくさんあります。代表的なものはオダリスクと呼ばれている作品です。詳しくは、そのうちゆっくりと解説してもいいですが、早く知りたい場合はググってください。

で、これを大学生に見せてその時の視線を計測してみました。視線データの時間情報を無視して全体の分布を分析したものが下の図です。

視線分布

図の色は視線停留の確率を示しています。
青部分が確率が低く、黄色、赤となるにしたがって確率が高くなります。
顔部分に強く分布が見られます。
普通の人なら人の顔に自然と注意が向いてしまうためです。
人の脳には人の顔を専門に扱う脳の部位も存在しており、インプリメントされているのではないかと考えられています。まあ、この女性が美しいというのも理由の一つかもしれませんが。
興味深いのは後ろの鏡に映った絵にも視線が向いているところです。
解説書を見るとこの絵のポイントは女性の肌の質感、ドレスの光沢と鏡の効果が挙げられています。








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